


ゆずレモン蒸留酒 42%vol
感じる
柚子——その名は、すでに約束のようだ。
一滴で、すべてを変える力がある果実。
レモンでもない。グレープフルーツでもない。
完熟した柚子だけが持つ、野性と静寂の香り。
日本では長く敬われ、西洋では幻のように追い求められる。
一度、本物の柚子の香りを知れば、もう忘れられない。
この蒸留酒は、その核心だけを抽出したもの。
柑橘系リキュールではない。香りの演出でもない。
徹底的に純粋な、柚子そのもののエッセンス。
すべて手作業で。削がれ、研ぎ澄まされ、飾り気なく。
香りは鋭く、透明で、花のよう。
白い花、青い葉、そしてほのかな苦みを抱いた甘さ。
42%では光を感じる。開かれた表情。
53%では静かに、芯に向かって閉じてゆく。
鋭さと深さ。どちらも、ただ美しい。
知る
使っているのは、選ばれた生の柚子。
冷凍も濃縮も使わない。輸送も管理も、すべて自分の目で確かめた。
成熟の一瞬を逃さないために。
早すぎず、遅すぎず。ちょうどいいその時を待って。
手で割き、種を外し、果肉を取り分ける。
苦みが出すぎないように。
皮は別に。香りを守るために。
そして、数日に分けて、静かに漬け込む。
その過程で、香りが変わる。
初めは明るく。次に花のように。最後に、深く。
できあがったのは、ただの果実だけ。
砂糖も、添加物も、何も足さない。
柚子が持つものだけで、すべて足りている。
味わう
常温で。そのままで。氷も、水もいらない。
この酒の本質は、曖昧さのなさにある。
42%は、バランスの中にある柚子。
酸味は新しく、花の香りが支え、苦みは隠さず調和する。
時間とともに、香りは変わる。
最初は皮。明るく、少し金属的。
次に果汁。青く、未熟な蜜柑のよう。
最後に、柔らかい甘さ。わずかに蜂蜜を思わせる深み。
料理にも合う。生の魚、山羊のチーズ、発酵野菜。
酒としては、ソーダやスパークリング日本酒と。
赤紫蘇酢を数滴加えた柚子トニックも、静かだが印象に残る。
この酒は、声を上げない。
だが、忘れられない。
口にした瞬間から、余韻は続く。
まるで、消えない音のように。
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