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ゆず「ディスティラーズ・カット」. スピリッツ 53%vol

セール価格¥383,100(¥766,200/l)
充填量(ミリリットル:

感じる

この蒸留酒は提案ではない。主張である。
アルコール度数五十三度──澄みきり、凝縮され、妥協を許さぬ意志の塊。
柚子を「飲みやすく」しようなどとは思わない。その激しさと複雑さを、まっすぐに見せたいだけだ。

口当たりはほとんど油のよう。
熱く、果肉のようにみずみずしく、甘酸っぱい。
だがその一方で、花のように香り高く、ほろ苦く、金属のように光り、蜂蜜のように深い。

果実はそこかしこにいる──
鼻孔に、舌の上に、喉の奥に──
最後の一滴の数分後にも、まだ余韻は消えない。
これは、ただ飲み干すための蒸留酒ではない。
むしろ体験であり、「明晰さ」との対峙。
行き過ぎている? そのとおり。あえて、だ。

知る

この果実はただ輸入されたのではない──
共に過ごし、見届けられた。
果樹園の写真を受け取り、熟度を比較し、収穫の時機を測る。
必要なのは、ただひとつ、理想の瞬間。

その後、手作業で──種を外し、果肉を分け、選別する。
皮は別に扱い、香気成分の輪郭を完全に抽出するために。
抽出は段階的に、数時間かけてゆっくりと。
急がず、妥協せず。

このカットには、ほとんど希釈がない。
調整なし。濾過なし。
あるのはただ、純粋な精髄だけ。
私がこれまで作った中で、最も柑橘の力が強い蒸留酒。
そして、最も高価なもの──
それは価格の問題ではない。
姿勢の表明。
本気で臨んだときに、何が可能になるのかという証し。

味わう

香水のようにお飲みいただきたい。
一滴、二滴。
小さなグラスで。
氷も、トニックも、割るものは不要。

そこにあるのは「味わい」ではなく、「在ること」そのもの。
柚子が全身に行き渡る──すばやく、隅々まで、物理的に。
花のような辛み、果実の酸味、そして絹のような、時に脂のような厚み。

舌には、薄い膜が残る。
鼻腔には、光でできたような残響が。

この蒸留酒は、敬意を持ってのみ、混ぜることが許される。
バーでは、レシピよりも「間」が必要。
マティーニに一滴、という可能性。
あるいは、澄んだ辛口ヴェルモットを使った柚子ネグローニ。

もしくは、何も混ぜず──ただ、はい、と受け止めること。


香気蒐集 No.839
飲用強度:五十三度
熟成可能年数:十〜十二年
製法:.geist
学名:Citrus junos

Yuzu ゆず »Distillers Cut« .geist 53%vol - Destillerie Kohler - Aromenbibliothéque
ゆず「ディスティラーズ・カット」. スピリッツ 53%vol セール価格¥383,100